KOTA IBUSHI INTERVIEW 2019.5.3
Jul. 2nd, 2019 09:42 pm![[personal profile]](https://www.dreamwidth.org/img/silk/identity/user.png)
![[community profile]](https://www.dreamwidth.org/img/silk/identity/community.png)
NEW JAPAN PRO-WRESTLING OFFICIAL WEBSITE KOTA IBUSHI INTERVIEW 2019.5.3
(NJPW Smartphone site)

Part 1 - njpw.co.jp/196800
2019.5.3 “新日本プロレス所属選手”飯伏幸太に直撃インタビュー(前編)! 今後のユニット問題、ザックへのシ ンパシー、内藤も“特別扱い”されてる!?
先日、新日本プロレスへの“入団”を発表した飯伏幸太。今回の決断と今後の野望、さらに内藤哲也との 対戦まで、ゴールデン☆スターの“本音”に迫る直撃ロングインタビュー!(前編)
聞き手/鈴木佑
撮影/タイコウクニヨシ
■たとえ、3年前の状況で新日本プロレスに残っていても、ボクが中邑さんたちのポジションを埋めるこ とはなかったと思います
(image)
―― 最近の飯伏選手は表情が晴れやかに見えますね。
飯伏 あ、ホントですか? きっと晴れやかな気分だからだと思います(笑)。
―― それはやはり新日本プロレスへの再入団を発表したからでしょうか?
飯伏もう、そのものズバリです!(笑顔で)。
―― 4.20愛知でザック・セイバーJr.を相手にインターコンチを初防衛した直後に「新日本プロレスに入 団しました!」と電撃発表し、それを受けたかたちで4.22後楽園の大会前に菅林直樹会長が同席の元、緊 急記者会見が開かれ、正式に所属選手となることが発表されました。
飯伏ハイ。よくよく考えれば新日本プロレスで去年から戦い続けてきた中で、自ずとそういう気持ちに なっていたというか......。でも、ボク一人で決められることでもないですし、新日本との話し合いをして いった中で、今回はベストなタイミングで入団できたのかなと。
―― 4.6MSGで内藤選手を下してインターコンチという勲章を手にしたタイミングは理想的だったかもし れないですね。遡ると飯伏選手は2013年10月にDDTと新日本のダブル所属を発表したわけですが、15年 10月から欠場に入り、16年2月に両団体を退団することを発表しました。
飯伏ああ、もう3年以上前になるんですね......。
――その飯伏選手の退団発表直前の2016年1月に中邑真輔選手やAJスタイルズ選手が新日本を去り、そ のあとに内藤哲也選手やケニー・オメガ選手が大きく躍進しました。「たられば」の話ではありますが、 もしも飯伏選手があの2016年の時点で新日本を辞めずに残っていたら、いまの勢力図は変わっていた可 能性もありますね。
飯伏それ、じつは考えたことがあるんですよ。
――あ、そうですか。
飯伏ええ。でも、たとえあのときの状況で新日本プロレスに残っていても、ボクが中邑さんたちのポジ ションを埋めることはなかったと思います。なぜなら内藤さんやケニーと違って、当時のボクは二団体所 属だったし、きっとあのままの状態を続けて中途半端になっていたでしょうし、あのタイミングでどちら かの団体だけを辞めるという選択も難しかったと思うので。
――なるほど。そこは冷静に分析されてるわけですね。
飯伏だから、自分としてはこのタイミングで新日本に再入団できたのは本当にベストだと思ってます。 あのときに新日本とDDTを辞めて、いろんな経験を積んだことを遠回りとは全然思ってないですし。自分 のピークがこれからだって考えると、本当に理想的なかたちだと捉えてます。
■今後は必要性があれば(新日本の道場に)行くのはやぶさかではないというか、なんなら引越しも視野 に入れて......
(image)
―― それだけ自分の歩んできた道に自信がある、と。ちょっと意地悪な見方ですが、飯伏選手が再入団 し、注目を集めていることを周囲の選手がどう受け止めているのかも気になるところですけど。
飯伏絶ッッ対におもしろくない人はいると思いますね。
―― あ、そう感じますか。
飯伏むしろ、そういう気持ちを自分にぶつけてほしいんです。なんか、これまではボクにはあまり言え ないみたいな空気を感じるんですけど、そういうのはイヤなんで。
――フリーじゃなくなったからには噛みついてほしい、と。今後は新日本プロレスに本格的に所属するか たちになると思いますが、そのあたりについては?
飯伏えっと......。馴染んでいきたいと思ってます。
――本当にそう思ってます?(笑)。
飯伏あ、ダメですか? 馴染まないほうがいいですかね?(真顔で)。
――いや、そういうことではないですが、飯伏選手はあまり団体行動のイメージがないので、どこまでが 本心なのかなと(苦笑)。
飯伏フフフ。たしかにボクも「馴染む」っていう言葉はほぼ使わないですね(笑)。
――4.22後楽園の会見では所属ユニットについて「どこでもいいですけど、希望としては本隊なのかなと いう気はしてます」と発言されていましたよね。
飯伏周囲もそういう目で見ていると思いますし、ボクは会場で本隊の選手たちの練習にも参加している ので。
――そうなんですね。本隊所属となると、シリーズ前に道場での合同練習なんかもありますよね。飯伏選 手はDDT所属の頃から千葉にある秘密の道場で単独での練習が多いそうですが、今後はどうされるのか な、と。
飯伏なるほど......。とりあえずシリーズ中なのもあって新日本の道場にはまだ行ってないです。でも、 今後は必要性があれば行くのはやぶさかではないというか、なんなら引越しも視野に入れて......(笑)。
――引っ越しも視野に! そこまで言うのは相当な意気込みですね。ちなみに去年はBULLET CLUBの内 紛騒動の中、いわゆる“BULLET CLUB ELITE”の選手と組む機会も多かったですが、いまのBULLET CLUBについて思うことは?
飯伏 もう、ちょっとBULLET CLUBは個人的にはいいですかね......。というかボク、なんでBULLET CLUBと絡んでたんですかね?(真顔で)。
――ハハハハ。それはケニー選手との関係性があったからかと思いますけど。
飯伏ああ、そうでしたね。いやあ......、なんか疲れましたよね、あの頃は(笑)。
――疲れた。チェーズ・オーエンズ選手とのやりとりなんかおもしろかったですけどね。飯伏選手がタッ グパートナーのオーエンズ選手のToo Sweetサインを頑なに応えないとか(笑)。
飯伏ああ、そういうのは楽しかったです(笑)。でも、それ以外は巻き込まれたっていうわけではない んですけど......、なんかもう「疲れた!」っていう感じですね。
――BULLET CLUB所属ではないのに内紛騒動の渦中の一人でしたからね。
飯伏いまのBULLET CLUBはメンバー的にもボクが関わってた頃とは別モノだと思うんですけど、もう その響きがちょっとイヤですね......(シミジミと)。
(image)
――実感がこもってますね。現状、飯伏選手は本隊のメンバーとしてカードに組み込まれていますが、共 闘路線にあるCHAOSの面々と同じコーナーに立っているのも新鮮というか。
飯伏ちょっとまだ、距離感がつかめない部分もあるんですけど、それも含めてワクワクしてます。棚橋 (弘至)さんがオカダ(・カズチカ)さんとタッグを組んでましたけど、そこにボクが加わってもおもし ろいのかなとも思いますし。
――オカダ&棚橋&飯伏組! そのトリオは豪華ですね。
飯伏というか、今シリーズのボクは本隊よりもCHAOSのメンバーと組む機会のほうが多いので、「ア レ? 本隊じゃなく、むしろCHAOS寄りなのかな?」って思う部分もありますね。
――EVIL選手に闘志を燃やす石井智宏選手を、飯伏選手がなだめるような場面もありましたし。
飯伏何にせよ、いまリングに立っていると凄く前向きですね。前向きじゃないときがないというか。フ ァンのかたがたの反応も「新日本プロレスの飯伏さん、おめでとうございます!」という声が多いので、 あらためて所属になったのを実感できてうれしいです。
――4.22後楽園の会見では「自分の最後の場所としてここを選んだ。死ぬまで契約期間」という発言もあ りましたが、そこからも大きな決意が伺い知れるというか。
飯伏その新日本プロレスを「自分の最後の場所にしたい」というのは本心ですけど、ここで一つ言いた いのが、もし「いらないな」と思ったら、そのときはすぐに切り捨ててほしいです。
――そこはレスラーとしてのプライドですか?
飯伏そうですね。たとえば「一時期は貢献してくれたし、とりあえずは所属としていてもらうか」みた いなのは、ボクとしては一番イヤなので。常に必要とされるような試合をやっていきたいですね。
■(ザックのツイートは)おたがいにWWEの契約を蹴った者同士っていうことですかね。そう考える と、アイツもヤバいヤツですね(笑)
(image)
――そういう意味では、4.20愛知でのザック選手との防衛戦は非常にハイレベルな試合でした。
飯伏 いや~~、あれは相当キツかったですね! この2~3年の中でも、身体的なダメージはかなり厳し かったです。コンディションはメチャクチャよかったんですけど。
――それだけザック選手の関節技が強烈だったということですね。ザック選手といえば愛知大会の翌日に ツイッターで「Kota-kun, we made the right choice mate.」とつぶやいていました。要するに飯伏選 手の再入団発表を受けて「ボクたちは“いい選択”をしたね」と。
飯伏 ハハハ。ああ、おたがいにWWEの契約を蹴った者同士っていうことですかね。そう考えると、ア イツもヤバいヤツですね(笑)。
――自分と同じように変わり者だと(笑)。でも、世界最大規模の団体よりも共に新日本での戦いを求め たという点で、シンパシーを感じる部分があるのでは?
飯伏そうですね。ボクは日本、彼はイギリスですけど、お互い子供の頃からプロレスにのめりこんで、 最初はインディーで活動して、WWEからオファーを受けるところまでいったのに、最終的にはどっちも 新日本を選んでいるので。
――ザック選手もかなりのプロレスマニアなんですよね。
飯伏 そうらしいですね、ちょっと似た匂いは感じます(笑)。
飯
――そして、4.20愛知でザック選手に勝利した直後に内藤選手が登場し、 まず再入団したからこそ伺いたいのが、飯伏選手がフリーの時期に内藤選手が「飯伏幸太は特別扱いを受 けてる。シリーズすべてに参戦しないのは認められない」という旨の発言をしていたことを、どう受け止 めていたのかな、と。
飯伏「そうですねえ......。まあ、ボクは基本的に内藤さんのことはクレーマーだと思ってるので。
――あ、内藤選手はクレーマー(苦笑)。
飯伏ボクのことを特別扱いって思うのはあの人の自由です。でも、今回の挑戦に関しては「内藤さん も“特別扱い”なんじゃないですか?」って思いますけどね。前王者だからリマッチの権利はあるのかも知 れないですけど、この3月だけでボクに『NJC』とMSGで二連敗しているわけで。
――ただ、内藤選手もその点を踏まえたのか、4.20愛知では「もしほかにそのベルトがほしいという選手 がいるのであれば、いますぐリングに上がってこいよ」と呼びかけていましたが?
(image)
飯伏いや、あれは確信犯ですね。出てこないことをわかってた上でやってるんじゃないですか。という のは、その時点でほかの選手から、飯伏とインターコンチを賭けて戦いたいというような発言がコッチの 耳にまでは届いてこなかったっていうのと、あとは......。
――あとは?
飯伏基本的にメイン終了後のあの時間帯は、ほとんどの選手は帰ってるか、帰りの身支度をしてますか ら。
――なるほど。そういった内藤選手の確信犯的な部分に、憤りを感じる部分も?
飯伏 いや、そういうのはないです。ボクからすると、内藤さんの発言はイラッとするというよりもおも しろいので。「ああ、おもしろいこと言ってるな」って(笑)。だから、あの人のクレームに対応するの もべつにそこまで嫌いとかではないですね。フフフ。
(image)
※後編も内藤について激語り! さらに飯伏にとっての“二人の神”についても言及!!
-----------------------------
Part 2 - njpw.co.jp/197786
2019.5.9 「内藤さんとの試合は、くやしいけど楽しいんですよ。残念ながら(笑)」飯伏幸太に直撃インタビュ ー!!(後編)

6月9日(日)大阪城ホールで、内藤哲也とのIWGPインターコンチネンタル選手権が決定した飯伏幸太。
新日本プロレス入団した4月下旬の時点で、ゴールデン☆スターは“ライバル”内藤をどう思っていたの か? 直撃ロングインタビュー!(後編)
聞き手/鈴木佑
撮影/タイコウクニヨシ
■本当に色もバッチリで、ベルト自体をボクのコスチュームにしたいなと思うくらいです
(image)
――さて、飯伏選手のインターコンチのベルトに対する思いをあらためて伺いたいのですが、まず記念す べき初戴冠の舞台となった4.6MSGの内藤哲也戦を振り返っていかがでしょうか?
飯伏そうですね。舞台はアメリカでしたけど、ボクとしては日本で内藤さんとやっている試合と何も変 わりはなかったというか。
――あの大会ではお二人の試合が唯一の日本人対決でしたね。
飯伏けっこう、あの試合に対する反応はよかったのかなって思いますね。会場でも熱は感じましたし。 英語で何を言われてるかはわからないんですけど、「あ、盛り上がってるな」と(笑)。
――あのとき使用したリングはROHのものだったそうですが、やりにくさはなかったですか?
飯伏 新日本のリングとコンディションに違いがあるんですけど、そこはあんまり関係ないですね。内藤 さんと試合してると、気にならないというか。
――そのくらい戦いに没頭した、と。試合後はベルトを両手で抱きしめている姿が印象的でした。
飯伏 それはもう、一番ほしいベルトでしたからね......(シミジミと)。
——飯伏選手は常々インターコンチへの深い思い入れを語っていますよね。飯伏選手にとって“二人の 神”である棚橋弘至選手と中邑真輔選手が巻いていた、と。
飯伏ええ。そのお二人はIWGPヘビーも巻かれてましたけど、ボクが新日本に参戦するようになってか らは、インターコンチを巡って戦っていた印象が強くて。そもそも、ボクがインターコンチに挑戦して獲 れなかった相手も、その中邑さんと棚橋さんですし。
——飯伏選手のインターコンチ初挑戦が2015年の1.4東京ドームの中邑戦、二度目が17年の11.5大阪の 棚橋戦でした。そして、三度目の正直で内藤選手を下し、悲願のベルト奪取を果たした、と。また白いベ ルトが、飯伏選手のコスチュームのカラーリングがよく似合いますよね(笑)。
飯伏これはもう、本当に奇跡的ですね! まるで示し合わせたかのような感じで(笑)。
――その色にしたのも、中邑選手が2012年7月に初戴冠した際に、IWGPヘビーより価値を上に持ってい くと宣言すると同時に「ダメだ、こんな汚ねえ10円玉みたいのじゃ。作り直せ、新日本!」と要望したか らというか。
飯伏ハハハ。“神”に感謝ですね。本当に色もバッチリで、ベルト自体をボクのコスチュームにしたいな と思うくらいです(笑)。このまま、一生持っていたいなって思いますね。
■『レッスルマニア』自体は観にいかなかったんですけど、終わってから中邑さんのホテルの近くで合流 して、一緒に食事をしました。
(image)
——中邑さんといえば、MSGで飯伏選手はたぎったポーズからボマイェを繰り出しましたね。
飯伏あの日、中邑さんは会場の近くにはいらっしゃったので、自然と神の技が“降りて”来たというか。
——MSG大会の翌日、中邑選手はニューヨークに隣接するニュージャージーで開催された『レッスルマニ ア』に二年連続で出場していましたが、そのあとに現地で中邑選手とお会いしたんだとか?
飯伏ハイ。会いました。ボクから中邑さんに「試合のあと、時間ありますか?」と連絡を取って。『レ ッスルマニア』自体は観にいかなかったんですけど、終わってから中邑さんのホテルの近くで合流して、 一緒に食事をしました。
——インターコンチ戴冠の報告を?
飯伏そうですね。あとは「新日本に入団するのを考えています」とお伝えしたら、中邑さんのほうから 「おめでとう!」って握手してくれて。ボクが知っている中邑さんの性格上、あんまり予測してなかった リアクションだったので、ビックリと感動がミックスされた感じというか・・・・・、うれしかったですね。
——神の祝福ですね(笑)。ほかにはどんな会話を?
飯伏中邑さんもボクも、そんなにガンガンしゃべるタイプでもないので、ただ静かにときが流れたとい うか、一緒にいる空間を楽しみました(笑)。たぶん、中邑さんもこれからボクがどうするのか、そこを 聞きたかったんだと思いますね。
——飯伏選手がDDTとダブル所属だった15年頃、中邑選手は「二団体に所属するのは集中しようがない し、賞賛することなのかなと思う」と発言されていたので、今後が気になっていたんでしょうね。
飯伏 そのほかにしゃべったのは......、あ!「なんか技、くれよ、飯伏〜」って言ってました(笑)。
——ハハハ! ボマイェから生まれたカミゴェのお返しということなのかも知れないですね(笑)。
飯伏「ボクは技ないですよ~」って答えたんですけど、もしかしたら中邑さんも何か、コッチの技を使 ってくれるかもしれないですね。
――もうひとりの神である棚橋選手とは、飯伏選手の再入団について何かお話されましたか? 棚橋選手 は現時点では欠場中なので、ジックリお話する機会はないとは思いますが。
飯伏「まだ、自分の口からは伝えられてないですね。そこはまたゆっくり、お話がしたいと思ってます。 棚橋さんは前に「飯伏に必要なのは覚悟」と言ってましたけど、いまのボクを見てどう思うのか。中邑さ んは「おめでとう」と言ってくれましたけど、もしかしたら棚橋さんは違うのかもしれないですし、そこ はどういう反応が来るのか、楽しみにしたいと思います。
■内藤さんはベラベラとしゃべって自分のペースに持ってこうとしてたんで、「しゃべんなよ!」と
(image)
——そして、飯伏選手が4.20愛知でザック・セイバーJr.選手を相手に初防衛に成功すると内藤選手が姿 を現し、次期挑戦者に立候補しましたが、それ自体は予想していましたか?
飯伏 いえ、予想してなかったです。来た瞬間、「あ、やったな!」って思いました。
――「やったな!」というのは?
飯伏正確には「やってくれたな!」ですかね、仕掛けられたなっていう。あのタイミングではワクワク よりも、「エエッ?」みたいな気持ちのほうが大きかったですね。べつにイヤってわけじゃないですけ ど、正直「またですか?」っていうのもあったので。
――このインタビューの前編では「内藤さんはボクのことを特別扱いされてるって言うけど、内藤さんも 今回は特別扱いなのでは?」と発言されてましたが、飯伏選手が内藤選手の要求に「トランキーロ、しゃ べんなよ!」と返したのは、そういういろいろな思いを込めて?
飯伏そうですね、ほかに選手が来ないのをわかった上で立候補して、しかもコッチがノーと言えないの も計算済み。内藤さんにしてみれば特別扱いじゃなく、外堀を固めたってことかもしれないですけど、ベ ラベラとしゃべって自分のペースに持ってこうとしてたんで、「しゃべんなよ!」と。
――続いて飯伏選手は「でも、答えは......、やりましょう!」とリマッチを承諾しました。今回の王座戦 のポイントとしては、お二人のベルトに対する考えかたに違いがあることかな、と。
飯伏内藤さん、IWGPヘビーと二本巻くためにインターコンチがほしいって言ってるんですよね?
——そうですね、今年のはじめから史上初のIWGPヘビーとの同時戴冠を果たすと宣言しています。
飯伏なんか、インターコンチはそのための“手段”みたいに聞こえるんですよね。そもそも選手だったら 誰でもベルトは何本でもほしいと思うんですよ。二本だけじゃなく、3本でも4本でも。ボクもそう思いま すし。
——飯伏選手は『NEW JAPAN CUP』前の公式サイトのインタビューで「内藤さんが悔しがる姿を凄く見 たいので、二つ巻くのはボクということで」と発言してましたね(笑)。
飯伏 ああ、内藤さんへの嫌がらせとして言いましたね(笑)。ただ、いまは仮に何本もベルトを巻いた
そのぶんインターコンチへの思いが薄れてしまうと思うんですよね。だったら、ボクはこの一 番ほしかったベルトにいまは集中し、気持ちを100パーセント注ぎたいです。
■本心を言ってしまえば、「おたがいに上がっていきたい」っていう気持ちがあるんですよ。でも、あの 人には意地悪なことを言わずにいられない
(image)
――これまでの内藤選手との対戦成績は、飯伏選手が5勝2敗と大きく勝ち越していて、しかも昨年の 『G1』公式戦からは3連勝を飾っています。昨年から飯伏選手は“内藤哲也失速説”を唱えていましたが、 それを自ら実証するような勢いというか。
飯伏 フフフ。そこは“提唱者”なので(ニヤリ)。ただ、最近の内藤さんは「ちょっとコンディションが 悪いのかな?」とは思いますね。試合の中で技に力が入ってないときがあるので、そこは回復してほしい
です。
――やるなら100パーセントの状態がいいと?
飯伏そうですね、おたがいに。おもいきりやり合える相手なので、万全の状態で目一杯戦いたいです。
——内藤選手は「飯伏幸太との試合は楽しい」と発言していますが、飯伏選手は?
飯伏内藤さんとの試合ですか。これがですね、残念ながら......、楽しいんですよね(苦笑)。くやしい んですけど、楽しいんですよ。
——内藤選手との試合を、自分が楽しんでいるのがくやしいということですか?(苦笑)。
飯伏フフフ。おたがいにプロレスに対する感覚がちょっと似てるのかなって感じますね、残念ながら (笑)。
——また残念ながら(苦笑)。
飯伏 やっぱり、ヘンな関係性なんですよね、ボクと内藤さんは。そこは同い年っていうのもあります し、認めてるからこそ認めたくない的な。
——同世代のライバルというのは、そういうものなのかもしれないですね。
飯伏本心を言ってしまえば、つまらない発言ですけど、やっぱり「おたがい、上がっていきたい」って いう気持ちがあるんですよ。でも、あの人には意地悪なことを言わずにいられないというか。
——そのあたりの飯伏選手のスタンスは、内藤選手がロス・インゴに加入する以前から変わらないですよ ね。本隊時代の内藤選手は「飯伏幸太は俺を小馬鹿にしてる」と発言してましたけど(苦笑)。
飯伏ハハハハ。やっぱり、ボクと内藤さんの関係性はちょっと変わってますね。ボク、「内藤哲也は失 速する」って言いながら、本当の本当は失速してほしくないですもん(笑)。
——ハハハハ!
飯伏 このまま普通に失速していったらドン引きです(笑)。でも......、やっぱりまた今回もボクが勝っ て、失速させてやろうかなって(ニヤリ)。
――「失速してほしくはないけど、失速するならその相手は自分」みたいな感じでしょうか。これは今 回、複雑な気持ちを抱えた勝負となりそうですね。
飯伏もう、メチャクチャです(笑)。ちょっと、いつものボクと内藤さんの試合の感じにはならないん じゃないかなっていう気もしますね。でも、それもボクと内藤さんとじゃないと、できない試合になる気 もしますし。
――この短期間のあいだで三度目の対決となりますが、お話を聞いていると俄然興味が沸いてきました。
飯伏 本当ですか? 内藤さん、このインタビュー読んだらまたイラつきそうですね、フフフ。
(image)
(了)
(NJPW Smartphone site)

Part 1 - njpw.co.jp/196800
2019.5.3 “新日本プロレス所属選手”飯伏幸太に直撃インタビュー(前編)! 今後のユニット問題、ザックへのシ ンパシー、内藤も“特別扱い”されてる!?
先日、新日本プロレスへの“入団”を発表した飯伏幸太。今回の決断と今後の野望、さらに内藤哲也との 対戦まで、ゴールデン☆スターの“本音”に迫る直撃ロングインタビュー!(前編)
聞き手/鈴木佑
撮影/タイコウクニヨシ
■たとえ、3年前の状況で新日本プロレスに残っていても、ボクが中邑さんたちのポジションを埋めるこ とはなかったと思います
(image)
―― 最近の飯伏選手は表情が晴れやかに見えますね。
飯伏 あ、ホントですか? きっと晴れやかな気分だからだと思います(笑)。
―― それはやはり新日本プロレスへの再入団を発表したからでしょうか?
飯伏もう、そのものズバリです!(笑顔で)。
―― 4.20愛知でザック・セイバーJr.を相手にインターコンチを初防衛した直後に「新日本プロレスに入 団しました!」と電撃発表し、それを受けたかたちで4.22後楽園の大会前に菅林直樹会長が同席の元、緊 急記者会見が開かれ、正式に所属選手となることが発表されました。
飯伏ハイ。よくよく考えれば新日本プロレスで去年から戦い続けてきた中で、自ずとそういう気持ちに なっていたというか......。でも、ボク一人で決められることでもないですし、新日本との話し合いをして いった中で、今回はベストなタイミングで入団できたのかなと。
―― 4.6MSGで内藤選手を下してインターコンチという勲章を手にしたタイミングは理想的だったかもし れないですね。遡ると飯伏選手は2013年10月にDDTと新日本のダブル所属を発表したわけですが、15年 10月から欠場に入り、16年2月に両団体を退団することを発表しました。
飯伏ああ、もう3年以上前になるんですね......。
――その飯伏選手の退団発表直前の2016年1月に中邑真輔選手やAJスタイルズ選手が新日本を去り、そ のあとに内藤哲也選手やケニー・オメガ選手が大きく躍進しました。「たられば」の話ではありますが、 もしも飯伏選手があの2016年の時点で新日本を辞めずに残っていたら、いまの勢力図は変わっていた可 能性もありますね。
飯伏それ、じつは考えたことがあるんですよ。
――あ、そうですか。
飯伏ええ。でも、たとえあのときの状況で新日本プロレスに残っていても、ボクが中邑さんたちのポジ ションを埋めることはなかったと思います。なぜなら内藤さんやケニーと違って、当時のボクは二団体所 属だったし、きっとあのままの状態を続けて中途半端になっていたでしょうし、あのタイミングでどちら かの団体だけを辞めるという選択も難しかったと思うので。
――なるほど。そこは冷静に分析されてるわけですね。
飯伏だから、自分としてはこのタイミングで新日本に再入団できたのは本当にベストだと思ってます。 あのときに新日本とDDTを辞めて、いろんな経験を積んだことを遠回りとは全然思ってないですし。自分 のピークがこれからだって考えると、本当に理想的なかたちだと捉えてます。
■今後は必要性があれば(新日本の道場に)行くのはやぶさかではないというか、なんなら引越しも視野 に入れて......
(image)
―― それだけ自分の歩んできた道に自信がある、と。ちょっと意地悪な見方ですが、飯伏選手が再入団 し、注目を集めていることを周囲の選手がどう受け止めているのかも気になるところですけど。
飯伏絶ッッ対におもしろくない人はいると思いますね。
―― あ、そう感じますか。
飯伏むしろ、そういう気持ちを自分にぶつけてほしいんです。なんか、これまではボクにはあまり言え ないみたいな空気を感じるんですけど、そういうのはイヤなんで。
――フリーじゃなくなったからには噛みついてほしい、と。今後は新日本プロレスに本格的に所属するか たちになると思いますが、そのあたりについては?
飯伏えっと......。馴染んでいきたいと思ってます。
――本当にそう思ってます?(笑)。
飯伏あ、ダメですか? 馴染まないほうがいいですかね?(真顔で)。
――いや、そういうことではないですが、飯伏選手はあまり団体行動のイメージがないので、どこまでが 本心なのかなと(苦笑)。
飯伏フフフ。たしかにボクも「馴染む」っていう言葉はほぼ使わないですね(笑)。
――4.22後楽園の会見では所属ユニットについて「どこでもいいですけど、希望としては本隊なのかなと いう気はしてます」と発言されていましたよね。
飯伏周囲もそういう目で見ていると思いますし、ボクは会場で本隊の選手たちの練習にも参加している ので。
――そうなんですね。本隊所属となると、シリーズ前に道場での合同練習なんかもありますよね。飯伏選 手はDDT所属の頃から千葉にある秘密の道場で単独での練習が多いそうですが、今後はどうされるのか な、と。
飯伏なるほど......。とりあえずシリーズ中なのもあって新日本の道場にはまだ行ってないです。でも、 今後は必要性があれば行くのはやぶさかではないというか、なんなら引越しも視野に入れて......(笑)。
――引っ越しも視野に! そこまで言うのは相当な意気込みですね。ちなみに去年はBULLET CLUBの内 紛騒動の中、いわゆる“BULLET CLUB ELITE”の選手と組む機会も多かったですが、いまのBULLET CLUBについて思うことは?
飯伏 もう、ちょっとBULLET CLUBは個人的にはいいですかね......。というかボク、なんでBULLET CLUBと絡んでたんですかね?(真顔で)。
――ハハハハ。それはケニー選手との関係性があったからかと思いますけど。
飯伏ああ、そうでしたね。いやあ......、なんか疲れましたよね、あの頃は(笑)。
――疲れた。チェーズ・オーエンズ選手とのやりとりなんかおもしろかったですけどね。飯伏選手がタッ グパートナーのオーエンズ選手のToo Sweetサインを頑なに応えないとか(笑)。
飯伏ああ、そういうのは楽しかったです(笑)。でも、それ以外は巻き込まれたっていうわけではない んですけど......、なんかもう「疲れた!」っていう感じですね。
――BULLET CLUB所属ではないのに内紛騒動の渦中の一人でしたからね。
飯伏いまのBULLET CLUBはメンバー的にもボクが関わってた頃とは別モノだと思うんですけど、もう その響きがちょっとイヤですね......(シミジミと)。
(image)
――実感がこもってますね。現状、飯伏選手は本隊のメンバーとしてカードに組み込まれていますが、共 闘路線にあるCHAOSの面々と同じコーナーに立っているのも新鮮というか。
飯伏ちょっとまだ、距離感がつかめない部分もあるんですけど、それも含めてワクワクしてます。棚橋 (弘至)さんがオカダ(・カズチカ)さんとタッグを組んでましたけど、そこにボクが加わってもおもし ろいのかなとも思いますし。
――オカダ&棚橋&飯伏組! そのトリオは豪華ですね。
飯伏というか、今シリーズのボクは本隊よりもCHAOSのメンバーと組む機会のほうが多いので、「ア レ? 本隊じゃなく、むしろCHAOS寄りなのかな?」って思う部分もありますね。
――EVIL選手に闘志を燃やす石井智宏選手を、飯伏選手がなだめるような場面もありましたし。
飯伏何にせよ、いまリングに立っていると凄く前向きですね。前向きじゃないときがないというか。フ ァンのかたがたの反応も「新日本プロレスの飯伏さん、おめでとうございます!」という声が多いので、 あらためて所属になったのを実感できてうれしいです。
――4.22後楽園の会見では「自分の最後の場所としてここを選んだ。死ぬまで契約期間」という発言もあ りましたが、そこからも大きな決意が伺い知れるというか。
飯伏その新日本プロレスを「自分の最後の場所にしたい」というのは本心ですけど、ここで一つ言いた いのが、もし「いらないな」と思ったら、そのときはすぐに切り捨ててほしいです。
――そこはレスラーとしてのプライドですか?
飯伏そうですね。たとえば「一時期は貢献してくれたし、とりあえずは所属としていてもらうか」みた いなのは、ボクとしては一番イヤなので。常に必要とされるような試合をやっていきたいですね。
■(ザックのツイートは)おたがいにWWEの契約を蹴った者同士っていうことですかね。そう考える と、アイツもヤバいヤツですね(笑)
(image)
――そういう意味では、4.20愛知でのザック選手との防衛戦は非常にハイレベルな試合でした。
飯伏 いや~~、あれは相当キツかったですね! この2~3年の中でも、身体的なダメージはかなり厳し かったです。コンディションはメチャクチャよかったんですけど。
――それだけザック選手の関節技が強烈だったということですね。ザック選手といえば愛知大会の翌日に ツイッターで「Kota-kun, we made the right choice mate.」とつぶやいていました。要するに飯伏選 手の再入団発表を受けて「ボクたちは“いい選択”をしたね」と。
飯伏 ハハハ。ああ、おたがいにWWEの契約を蹴った者同士っていうことですかね。そう考えると、ア イツもヤバいヤツですね(笑)。
――自分と同じように変わり者だと(笑)。でも、世界最大規模の団体よりも共に新日本での戦いを求め たという点で、シンパシーを感じる部分があるのでは?
飯伏そうですね。ボクは日本、彼はイギリスですけど、お互い子供の頃からプロレスにのめりこんで、 最初はインディーで活動して、WWEからオファーを受けるところまでいったのに、最終的にはどっちも 新日本を選んでいるので。
――ザック選手もかなりのプロレスマニアなんですよね。
飯伏 そうらしいですね、ちょっと似た匂いは感じます(笑)。
飯
――そして、4.20愛知でザック選手に勝利した直後に内藤選手が登場し、 まず再入団したからこそ伺いたいのが、飯伏選手がフリーの時期に内藤選手が「飯伏幸太は特別扱いを受 けてる。シリーズすべてに参戦しないのは認められない」という旨の発言をしていたことを、どう受け止 めていたのかな、と。
飯伏「そうですねえ......。まあ、ボクは基本的に内藤さんのことはクレーマーだと思ってるので。
――あ、内藤選手はクレーマー(苦笑)。
飯伏ボクのことを特別扱いって思うのはあの人の自由です。でも、今回の挑戦に関しては「内藤さん も“特別扱い”なんじゃないですか?」って思いますけどね。前王者だからリマッチの権利はあるのかも知 れないですけど、この3月だけでボクに『NJC』とMSGで二連敗しているわけで。
――ただ、内藤選手もその点を踏まえたのか、4.20愛知では「もしほかにそのベルトがほしいという選手 がいるのであれば、いますぐリングに上がってこいよ」と呼びかけていましたが?
(image)
飯伏いや、あれは確信犯ですね。出てこないことをわかってた上でやってるんじゃないですか。という のは、その時点でほかの選手から、飯伏とインターコンチを賭けて戦いたいというような発言がコッチの 耳にまでは届いてこなかったっていうのと、あとは......。
――あとは?
飯伏基本的にメイン終了後のあの時間帯は、ほとんどの選手は帰ってるか、帰りの身支度をしてますか ら。
――なるほど。そういった内藤選手の確信犯的な部分に、憤りを感じる部分も?
飯伏 いや、そういうのはないです。ボクからすると、内藤さんの発言はイラッとするというよりもおも しろいので。「ああ、おもしろいこと言ってるな」って(笑)。だから、あの人のクレームに対応するの もべつにそこまで嫌いとかではないですね。フフフ。
(image)
※後編も内藤について激語り! さらに飯伏にとっての“二人の神”についても言及!!
-----------------------------
Part 2 - njpw.co.jp/197786
2019.5.9 「内藤さんとの試合は、くやしいけど楽しいんですよ。残念ながら(笑)」飯伏幸太に直撃インタビュ ー!!(後編)

6月9日(日)大阪城ホールで、内藤哲也とのIWGPインターコンチネンタル選手権が決定した飯伏幸太。
新日本プロレス入団した4月下旬の時点で、ゴールデン☆スターは“ライバル”内藤をどう思っていたの か? 直撃ロングインタビュー!(後編)
聞き手/鈴木佑
撮影/タイコウクニヨシ
■本当に色もバッチリで、ベルト自体をボクのコスチュームにしたいなと思うくらいです
(image)
――さて、飯伏選手のインターコンチのベルトに対する思いをあらためて伺いたいのですが、まず記念す べき初戴冠の舞台となった4.6MSGの内藤哲也戦を振り返っていかがでしょうか?
飯伏そうですね。舞台はアメリカでしたけど、ボクとしては日本で内藤さんとやっている試合と何も変 わりはなかったというか。
――あの大会ではお二人の試合が唯一の日本人対決でしたね。
飯伏けっこう、あの試合に対する反応はよかったのかなって思いますね。会場でも熱は感じましたし。 英語で何を言われてるかはわからないんですけど、「あ、盛り上がってるな」と(笑)。
――あのとき使用したリングはROHのものだったそうですが、やりにくさはなかったですか?
飯伏 新日本のリングとコンディションに違いがあるんですけど、そこはあんまり関係ないですね。内藤 さんと試合してると、気にならないというか。
――そのくらい戦いに没頭した、と。試合後はベルトを両手で抱きしめている姿が印象的でした。
飯伏 それはもう、一番ほしいベルトでしたからね......(シミジミと)。
——飯伏選手は常々インターコンチへの深い思い入れを語っていますよね。飯伏選手にとって“二人の 神”である棚橋弘至選手と中邑真輔選手が巻いていた、と。
飯伏ええ。そのお二人はIWGPヘビーも巻かれてましたけど、ボクが新日本に参戦するようになってか らは、インターコンチを巡って戦っていた印象が強くて。そもそも、ボクがインターコンチに挑戦して獲 れなかった相手も、その中邑さんと棚橋さんですし。
——飯伏選手のインターコンチ初挑戦が2015年の1.4東京ドームの中邑戦、二度目が17年の11.5大阪の 棚橋戦でした。そして、三度目の正直で内藤選手を下し、悲願のベルト奪取を果たした、と。また白いベ ルトが、飯伏選手のコスチュームのカラーリングがよく似合いますよね(笑)。
飯伏これはもう、本当に奇跡的ですね! まるで示し合わせたかのような感じで(笑)。
――その色にしたのも、中邑選手が2012年7月に初戴冠した際に、IWGPヘビーより価値を上に持ってい くと宣言すると同時に「ダメだ、こんな汚ねえ10円玉みたいのじゃ。作り直せ、新日本!」と要望したか らというか。
飯伏ハハハ。“神”に感謝ですね。本当に色もバッチリで、ベルト自体をボクのコスチュームにしたいな と思うくらいです(笑)。このまま、一生持っていたいなって思いますね。
■『レッスルマニア』自体は観にいかなかったんですけど、終わってから中邑さんのホテルの近くで合流 して、一緒に食事をしました。
(image)
——中邑さんといえば、MSGで飯伏選手はたぎったポーズからボマイェを繰り出しましたね。
飯伏あの日、中邑さんは会場の近くにはいらっしゃったので、自然と神の技が“降りて”来たというか。
——MSG大会の翌日、中邑選手はニューヨークに隣接するニュージャージーで開催された『レッスルマニ ア』に二年連続で出場していましたが、そのあとに現地で中邑選手とお会いしたんだとか?
飯伏ハイ。会いました。ボクから中邑さんに「試合のあと、時間ありますか?」と連絡を取って。『レ ッスルマニア』自体は観にいかなかったんですけど、終わってから中邑さんのホテルの近くで合流して、 一緒に食事をしました。
——インターコンチ戴冠の報告を?
飯伏そうですね。あとは「新日本に入団するのを考えています」とお伝えしたら、中邑さんのほうから 「おめでとう!」って握手してくれて。ボクが知っている中邑さんの性格上、あんまり予測してなかった リアクションだったので、ビックリと感動がミックスされた感じというか・・・・・、うれしかったですね。
——神の祝福ですね(笑)。ほかにはどんな会話を?
飯伏中邑さんもボクも、そんなにガンガンしゃべるタイプでもないので、ただ静かにときが流れたとい うか、一緒にいる空間を楽しみました(笑)。たぶん、中邑さんもこれからボクがどうするのか、そこを 聞きたかったんだと思いますね。
——飯伏選手がDDTとダブル所属だった15年頃、中邑選手は「二団体に所属するのは集中しようがない し、賞賛することなのかなと思う」と発言されていたので、今後が気になっていたんでしょうね。
飯伏 そのほかにしゃべったのは......、あ!「なんか技、くれよ、飯伏〜」って言ってました(笑)。
——ハハハ! ボマイェから生まれたカミゴェのお返しということなのかも知れないですね(笑)。
飯伏「ボクは技ないですよ~」って答えたんですけど、もしかしたら中邑さんも何か、コッチの技を使 ってくれるかもしれないですね。
――もうひとりの神である棚橋選手とは、飯伏選手の再入団について何かお話されましたか? 棚橋選手 は現時点では欠場中なので、ジックリお話する機会はないとは思いますが。
飯伏「まだ、自分の口からは伝えられてないですね。そこはまたゆっくり、お話がしたいと思ってます。 棚橋さんは前に「飯伏に必要なのは覚悟」と言ってましたけど、いまのボクを見てどう思うのか。中邑さ んは「おめでとう」と言ってくれましたけど、もしかしたら棚橋さんは違うのかもしれないですし、そこ はどういう反応が来るのか、楽しみにしたいと思います。
■内藤さんはベラベラとしゃべって自分のペースに持ってこうとしてたんで、「しゃべんなよ!」と
(image)
——そして、飯伏選手が4.20愛知でザック・セイバーJr.選手を相手に初防衛に成功すると内藤選手が姿 を現し、次期挑戦者に立候補しましたが、それ自体は予想していましたか?
飯伏 いえ、予想してなかったです。来た瞬間、「あ、やったな!」って思いました。
――「やったな!」というのは?
飯伏正確には「やってくれたな!」ですかね、仕掛けられたなっていう。あのタイミングではワクワク よりも、「エエッ?」みたいな気持ちのほうが大きかったですね。べつにイヤってわけじゃないですけ ど、正直「またですか?」っていうのもあったので。
――このインタビューの前編では「内藤さんはボクのことを特別扱いされてるって言うけど、内藤さんも 今回は特別扱いなのでは?」と発言されてましたが、飯伏選手が内藤選手の要求に「トランキーロ、しゃ べんなよ!」と返したのは、そういういろいろな思いを込めて?
飯伏そうですね、ほかに選手が来ないのをわかった上で立候補して、しかもコッチがノーと言えないの も計算済み。内藤さんにしてみれば特別扱いじゃなく、外堀を固めたってことかもしれないですけど、ベ ラベラとしゃべって自分のペースに持ってこうとしてたんで、「しゃべんなよ!」と。
――続いて飯伏選手は「でも、答えは......、やりましょう!」とリマッチを承諾しました。今回の王座戦 のポイントとしては、お二人のベルトに対する考えかたに違いがあることかな、と。
飯伏内藤さん、IWGPヘビーと二本巻くためにインターコンチがほしいって言ってるんですよね?
——そうですね、今年のはじめから史上初のIWGPヘビーとの同時戴冠を果たすと宣言しています。
飯伏なんか、インターコンチはそのための“手段”みたいに聞こえるんですよね。そもそも選手だったら 誰でもベルトは何本でもほしいと思うんですよ。二本だけじゃなく、3本でも4本でも。ボクもそう思いま すし。
——飯伏選手は『NEW JAPAN CUP』前の公式サイトのインタビューで「内藤さんが悔しがる姿を凄く見 たいので、二つ巻くのはボクということで」と発言してましたね(笑)。
飯伏 ああ、内藤さんへの嫌がらせとして言いましたね(笑)。ただ、いまは仮に何本もベルトを巻いた
そのぶんインターコンチへの思いが薄れてしまうと思うんですよね。だったら、ボクはこの一 番ほしかったベルトにいまは集中し、気持ちを100パーセント注ぎたいです。
■本心を言ってしまえば、「おたがいに上がっていきたい」っていう気持ちがあるんですよ。でも、あの 人には意地悪なことを言わずにいられない
(image)
――これまでの内藤選手との対戦成績は、飯伏選手が5勝2敗と大きく勝ち越していて、しかも昨年の 『G1』公式戦からは3連勝を飾っています。昨年から飯伏選手は“内藤哲也失速説”を唱えていましたが、 それを自ら実証するような勢いというか。
飯伏 フフフ。そこは“提唱者”なので(ニヤリ)。ただ、最近の内藤さんは「ちょっとコンディションが 悪いのかな?」とは思いますね。試合の中で技に力が入ってないときがあるので、そこは回復してほしい
です。
――やるなら100パーセントの状態がいいと?
飯伏そうですね、おたがいに。おもいきりやり合える相手なので、万全の状態で目一杯戦いたいです。
——内藤選手は「飯伏幸太との試合は楽しい」と発言していますが、飯伏選手は?
飯伏内藤さんとの試合ですか。これがですね、残念ながら......、楽しいんですよね(苦笑)。くやしい んですけど、楽しいんですよ。
——内藤選手との試合を、自分が楽しんでいるのがくやしいということですか?(苦笑)。
飯伏フフフ。おたがいにプロレスに対する感覚がちょっと似てるのかなって感じますね、残念ながら (笑)。
——また残念ながら(苦笑)。
飯伏 やっぱり、ヘンな関係性なんですよね、ボクと内藤さんは。そこは同い年っていうのもあります し、認めてるからこそ認めたくない的な。
——同世代のライバルというのは、そういうものなのかもしれないですね。
飯伏本心を言ってしまえば、つまらない発言ですけど、やっぱり「おたがい、上がっていきたい」って いう気持ちがあるんですよ。でも、あの人には意地悪なことを言わずにいられないというか。
——そのあたりの飯伏選手のスタンスは、内藤選手がロス・インゴに加入する以前から変わらないですよ ね。本隊時代の内藤選手は「飯伏幸太は俺を小馬鹿にしてる」と発言してましたけど(苦笑)。
飯伏ハハハハ。やっぱり、ボクと内藤さんの関係性はちょっと変わってますね。ボク、「内藤哲也は失 速する」って言いながら、本当の本当は失速してほしくないですもん(笑)。
——ハハハハ!
飯伏 このまま普通に失速していったらドン引きです(笑)。でも......、やっぱりまた今回もボクが勝っ て、失速させてやろうかなって(ニヤリ)。
――「失速してほしくはないけど、失速するならその相手は自分」みたいな感じでしょうか。これは今 回、複雑な気持ちを抱えた勝負となりそうですね。
飯伏もう、メチャクチャです(笑)。ちょっと、いつものボクと内藤さんの試合の感じにはならないん じゃないかなっていう気もしますね。でも、それもボクと内藤さんとじゃないと、できない試合になる気 もしますし。
――この短期間のあいだで三度目の対決となりますが、お話を聞いていると俄然興味が沸いてきました。
飯伏 本当ですか? 内藤さん、このインタビュー読んだらまたイラつきそうですね、フフフ。
(image)
(了)