IBUSHI INTERVIEW 2017.9.14
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2017.9.14 「あの瞬間に、ケニーとは一回終わってしまった感”がある」本人も困 惑...!?ケニーとの“衝撃の再会”に関して、飯伏幸太に直撃インタビュー! (最終回)
新日本マット復活で、大きな注目を浴びた飯伏幸太。今回はこの夏に話題騒 然となった『G1』最終戦・両国のバックステージでのケニーオメガと の“衝撃の再会”について、徹底インタビュー!!(最終回)
飯伏 幸太撮影/タイコウクニヨシ
■ケニーに「決勝で会おう」とは言われたんですけど、それに対してとくに 返事はしていなかったんですよね。
――さて、飯伏選手。今回の『G1』で大きな注目を集めたのが、飯伏選手と ケニー選手の関係性だったと思います。
飯伏: ハイ。
――ケニー選手からは開幕前に「イブシよ、優勝決定戦で待っている」とい う発言もありました。やっぱり、飯伏選手もケニー選手のことは気になりま したか?
飯伏: ええ。そうですね。やっぱりケニーの試合、公式戦はけっこう観てま したね。
――今回の『G1』のケニー選手の試合はどういうふうに映りましたか?
飯伏: う〜ん......。ケニーに関しては、「全試合のクオリティが高い」とい うのは、もともとわかっていたことなんですけど。それにしても、自分の予 想よりもさらに高かったですね。「この種類のプロレスでは、このレベルま で行ってしまったんだ......」みたいな感じはしました。
——結果、ケニー選手は優勝決定戦まで勝ち上がり、飯伏選手はたどり着く ことができなかったわけですが。
飯伏: そうですね......。もちろん、自分も優勝決定戦に上がることを念頭に 『G1』にエントリーした部分はあるんですけど。ただ、そのケニーとの約束 に関しては、ボクはじつは何も返事はしていなかったというか。
――なるほど。たしかにそうですね。
飯伏 : 「決勝で会おう」とは言われたんですけど、それに対してとくに返事 はしていなかったんですよね。
--むしろ、飯伏選手は開幕前のインタビューで「決勝でこの試合をやって いいのか?」とも発言されていました。
飯伏: そうですね。それでも自分のブロックでは1位になりたいし、もちろ ん『G1』優勝は自分の大きな目標でしたけど......まあ、今回は叶わなかった
■ Kenny said "Let's meet in the final, but I didn't reply to that.
--By the way, Ibushi. I think it was the relationship between Ibushi and Kenny that attracted a lot of attention in this "G1".
Ibushi: Yes.
――Kenny also said in opening remarks, "Ibushi, I'm waiting for the championship final." After all, do you also care about Kenny?
Ibushi: Yeah. That's right. After all, I watched Kenny's matches quite a lot.
――How did Kenny's G1 matches reflect on him?
Ibushi: Hmm ... As for Kenny, "high quality of all matches," I knew that already. Even so, it was even higher than I had expected. I felt like "He's gone up to this level with this kind of professional wrestling ..."
——As a result, Kenny won up to the championship final, and Ibushi couldn't reach it.
Ibushi: That's right ... Of course, I entered in "G1" with the intention of going to the championship final. However, I didn't actually ever answer Kenny's promise.
--I see. That's true.
Ibushi: I was told "Let's meet in the finals," but I didn't reply to that.
--Rather, Ibushi also mentioned in an interview before the opening, "Is it okay for this match to be the final?"
Ibushi: That's right. Even so, I wanted to be number one in my block, and of course winning the "G1" was my big goal, but ... well, this time it didn't come true.
■あの優勝決定戦は、オカダvsケニー戦に近い部分もあったんですけど、今 回の試合は、自分でも“わかる”気がしました。
――その優勝決定戦はケニー選手と内藤選手の激突になりました。どちらも 飯伏選手にゆかりの深い選手ですが、あの試合はどのようにご覧になりまし たか?
飯伏: 二人とも凄かったですね。本当に「この2年でやってきたことが試合に 出てるな」と思いました。ボクが出ていた2年前とは、二人ともかなり違う印 象を受けましたね。
--以前、飯伏選手はオカダvsケニー戦について「凄いけど、あの方向性は 自分とは違う」という主旨の発言もされていましたが、今回のケニーvs内藤 については?
飯伏: ケニーvs内藤は......。う~ん。やっぱり、オカダvsケニー戦にちょっ と近い部分もあったんですけど、今回の試合は、観ていて自分でも“わか る”気がしました。
――あ、あの優勝決定戦には、少し共感できる部分がありましたか。
飯伏: ええ。「もし自分が優勝決定戦に上がってたら、どうなるんだ?」と 考えたときに、試合の方向性的に「自分もそうなるかな?」っていう。感覚 的に「ちょっとわかる」部分もあったんですけど......。う~ん。でも、実際 に自分が上がってたらどうだったんでしょうね?
ーーそのへんはどっちとも言えない部分もありますか。
飯伏: 「そうですね。自分がケニーと当たってたら、自分が内藤さんと当た ってたらどうなっていたのか? いまだによくわからなくて。でも、似たよ うな試合になっていた気もしなくはなくて。そのあたりはまあ、受け入れる しかないというか。
ーーあの優勝決定戦はケニー選手のスタイルが色濃く出た試合という気がし ますか?
飯伏: う〜ん.......どっちの選手のテイストもミックスされてますけど、や っぱり“ケニー寄り”の試合なんじゃないかなって思って観てました。
――内藤さんにあのケニー戦のことを聞いたら、「ああいう試合、好きなん です」って答えだったんですね。
飯伏: ヘえーー! そうなんですか。
――ハイ。内藤さんは相手のスタイルに入っていくのが好きみたいで。で も、もしも飯伏選手が相手だったら、ケニー選手が飯伏選手のスタイルに合 わせてくるかもしれないし。
飯伏: そうですね。ボクとケニーの試合だったら、どうなっていたか。正直 よくわからないですね。次に会ったらどうなるのか......。
■ The final was similar to the Okada vs. Kenny match, but I felt that I could "understand" this match.
--The final match was a clash between Kenny and Naito. Both of them are closely related to you, but what did you think of that match?
Ibushi: Both of them were amazing. I really thought, "What has been done in the last two years is in this match." After being out for two years, I received very different impressions of both of them.
--In the past, Ibushi had said about the match between Okada and Kenny, "It's amazing, but that direction is different from my own." What about Kenny vs Naito this time?
Ibushi: Kenny vs Naito... hmmm. After all, there was a part that was a little bit close to the match between Okada and Kenny, but when I watched this match, I felt that I could understand it myself.
--Ah, did you have any sympathy for them in the final?
Ibushi: Yeah. When I thought, "What if I was in the championship final?", for the direction of the match "Would it be the same?" There was also a part that I could "understand a little" Instinctively... Hmmm. But what if I actually went up?
--- Is there any part that you can't say either?
Ibushi: "That's right. If I fought Kenny, what would happen if I fought Naito-san? I still don't know, but I feel like it would be a similar match. No. Well, I have no choice but to accept it.
--Do you feel that the final match was a match in which Kenny's style was strong?
Ibushi: Hmm ..... The tastes of both players are mixed, but I thought it was a "Kenny-oriented" match when I watched it.
--When we asked Naito-san about the match against Kenny, he answered, "I like that kind of match."
Ibushi: Hmm! Is that so?
--Yes. Naito-san seems to like to get into the style of the other party. But if Ibushi is his opponent, Kenny may match Ibushi's style.
Ibushi: That's right. What would have happened if it was a match between me and Kenny? To be honest, I don't really understand. What will happen next time we meet ...
■あの時は「ケニー、リングで会えなくてごめん」的なことを言おうと思っ たんですけど......
[Image of Ibushi approaching Kenny after the G1 final]
ーーあと、事前に話題になったのが、ケニー選手がコスチュームの半分が飯 伏選手を意識したブルーの仕様になっていたことなんですけど。
飯伏: ハイ。あれはちょっと衝撃でしたね.......あのコスチュームも自分の 中では、ケニーがいったい何を思って作ったのかわからないです。自分と優 勝決定戦で会うためにああいうデザインにしたのか?それとも自分とタッ グを組もうというアピールなのか?そもそも意識的にアレを作っていたの か? ちょっと意味がわからないですね....
ーーその流れの上でいよいよ本題にうかがいますけど、ケニーが『G1』優勝 決定戦で敗れた直後のバックステージで、飯伏選手が待ち構えていた。二人 の邂逅という衝撃のシーンがありました。アレは、飯伏選手からあそこへ足 が向いてしまったんですか?
飯伏: ......そうですね。やっぱり、ずっと『G1』シリーズを通して、ケニー への意識もあって最後まで来てしまって。どこかで、ケニーに言われた「決 勝で会おう」というのが叶わなかったことに関して、「申し訳ないな」とい う部分があって。なので、あの時は「ケニー、リングで会えなくてごめん」 的なことを言おうと思ったんですけど。
――なるほど。
飯伏: ところが実際、ケニーが目の前に来ると、もうボロボロな感じだった ので「大丈夫か?」っていう言葉しか出てこなくて......。もともと首も悪く て、試合であきらかに集中攻撃も受けていたんで、絶対にヤバいなっていう か、「本当に大丈夫かな?」っていう気持ちが出てしまって。
--まず、心配の言葉をかけたわけですね。
飯伏: ええ。そしたら、サッと手で振り払われてしまって......。
ーーそうでしたね。本当に数秒間のことだったんですが。ただ、あの衝撃的 な再会シーンがあったことで、ファンのあいだでは“いろいろな憶測”を呼ん でしまっていると言いますか......。
飯伏: ハハハハ。たしかに、いろいろな反応がありましたね(苦笑)。
――翌日のTwitterでも飯伏さんは「昨日の接触には何もない。あれが今の形 であり、自分には触れられる場所にはいないのかなと。全て残念に聞こえま すが、お互いがお互いの道を...でも最後は」とコメントを書かれていました けど。今後のケニーオメガとの関係性に関しては、とくに何もなく。本当 に“あの瞬間だけ”の出来事だったという感じですか?
飯伏: そうですね......。あの瞬間、一回自分の中で途切れたというか。結 局、あそこまでが自分の中でも一回.......もしかしたら、ケニーとぶつかる のか?それともあそこで握手をしてタッグチームになっていたのか? そ ういう可能性もあったかもしれないんですけど。そういう“何かが起こる瞬 間”というのは、一回なくなってしまったのかな、と。
――なるほど。一度、ケニーと接触してしまったことによって。今後、何か が起こる可能性もいったんは閉じてしまったと。
飯伏: ええ。なので、自分の中ではあの瞬間に、「ケニーとは一回終わって しまった感」がありますね。ただ、まだ終わっていない部分もどこかにあっ て......。実際のところ、ケニーがどう思っているかはわからないですけど。
■ケニーとは、「終わりに“なってしまった”」という感覚が近いかもしれな いですね。
--あのとき、ケニーのセコンドのヤングバックスは飯伏選手に「おまえは なんなんだ!?」みたいな強烈な拒否反応がありましたけど。
飯伏: ああ、そうですね(苦笑)。
--ヤングバックスとしても、ケニーと飯伏選手を接触させたら、「何かが 壊れてしまうんじゃないか」と危惧している部分もあるのかもしれない。
飯伏: ヤングバックスは......。そうですね。
――ただ、結果的にはTwitterでつぶやいているように、「あれで終わり」と いう感じになってしまったという感じ?
飯伏: そうですね。終わりに“なってしまった”という感覚が近いかもしれな いですね。
ーーどうでしょう?飯伏さんとしてもあの瞬間、「ケニーと一緒に」とい う期待もあったわけですか?
飯伏: あー......。どうですかね。
ーーそれともシンプルに、身体の心配だけだった?
飯伏: ええ。一番は身体の心配ですね。「本当にお疲れさま」っていう感じ の。そして優勝決定戦に行けなかったことへの「ごめんなさい!」という部 分の。
--それは、ケニー選手から「優勝決定戦で会おう」と、最初に投げられた ボールをずっと返していなかった、それを「返さないと」という部分があっ た?
飯伏: そうですね。それに関しては「あそこしかなかった」というか。自分 は結局、リングで返そうとしたのにできなかったので。そのチャンスがあそ こしかなくて。
――だからこそ、あの接触で『G1』でのケニーと飯伏選手の物語は「一回終 わった」ということですか。
飯伏: そうですね。そういうことですね。
■ケニーの真意が本当にわからなくて。なんなんですかね? ケニーに関し ては、常に“生の状態”で進んでいる感じです。
---ただし、ファンはおさまらないというか。いろいろなことを言ってらっ しゃいますけども(笑)。
飯伏: ああ、言っていますか(笑)。
ー-ハイ。「ケニーv飯伏が実現するんじゃないか?」とか、「タッグを組む んじゃないか?」とか。でも、飯伏選手としては「一回、終わった」という 気持ちがあると。逆にいまは棚橋選手とか、ほかの選手に目が向いている状 態ですか?
飯伏: そうですね。いまはもう違う方向にいってますね。でも、それでも自 分の中で少しは残っているっていう。ヘンな感じですよね? ケニーの真意 が本当にわからなくて。本当になんなんですかね? ケニーに関しては、常 に“生の状態”で進んでいる感じです。毎回毎回、「これ、どうなんだろ?」 って悩む感じですよね。
--これは少し変な言い方になりますけど、いま新日本プロレスのレスラー の中で、唯一と言っていいほど、ケニー選手だけが飯伏選手を強く求めてい る印象はありますよね。
飯伏: 「ああ、ボクもそれは感じていますね。ただ、それならなんで最後に手 を振り払われたのか、あのへんの真意は本当にわからないです。あの行動はな んなのかは、いまでもわからないです。ケニーは、ずっと自分に対していろ いろなことを言ってきたのに、「オマエが優勝決定戦に上がってこなかった から、もう終わりだ」っていう意味なのか。
ーーなるほど。
飯伏: 自分はそれも少し感じました。ケニーに対して返事をしたら、「もう 遅いよ」っていう。
--「イブシよ、いまさら来ても、もう遅いよ」という感じだった可能性も あると。
飯伏: わからないです。なんなんですかね? どうなんですかね?
――いや~、当事者にここまで話を聞いても、ますます謎が深まる感じがあ りますね。
飯伏: どうなんですかね。自分では本当にあまりよくわからないです(苦 笑)。
■『G1』だけの試合だと、いまの新日本のファンは、自分に対して「納得で きていないだろう」という気持ちはあるし、自分でも納得してない部分があ ります。
[Image of Ibushi sitting in his gym]
――今シリーズは広島大会に上がりますが、『G1』の結果を踏まえ、今後は 新日本でのビジョンは?
飯伏: そうですね。やっぱり、「今後は少しでも参戦できえばいいかな」と いう気持ちもあるし。『G1』でも、自分がまだ出せていない部分もじつは結 構あって.......それをもっと出して、たくさんの人に見てもらいたいという 気持ちはありますね。
――なるほど。
飯伏: あの『G1』だけの試合だと、いまの新日本プロレスのファンは、自分 に対して「納得できていないだろう」という気持ちはあるし、自分でも納得 してない部分があります。
--新日本での飯伏幸太の表現の方法がわかってきただけに、もっと突き詰 めたいというか。
飯伏: そうですね。「もっと、いろんな飯伏幸太がありますよ」っていう。 それをまだ全然出せてないので。
——具体的に誰とやりたいというよりは、もっとそこを出したい、と?
飯伏: ええ。新日本のリングでもっと出したいですね。もっと、自分の可能 性という部分もあるでしょうし、「まだ少ししか見せてませんよ」っていう 気持ちもありますので。
(了)